イギリスの最高裁はAI=人工知能について、新技術を開発したとしても「発明者」にはなれず、特許権を得ることはできないとの判断を示しました。
訴えを起こしていたのは、アメリカのコンピューター科学者、スティーブン・テイラー博士です。
テイラー氏は自らが作ったAIが考案したとする「食品容器」と「点滅信号」について、AIを“発明者”として特許の出願をしましたが、2019年、知財当局は「機械は発明者になれない」として認めませんでした。
テイラー氏は裁判を起こしましたが、最高裁も20日、現行の法律では「発明者は人間でなければならない」として、下級審と同様にAIが特許権を得ることを認めないとの判断を下しました。
ロイター通信によりますと、テーラー氏の代理人弁護士は声明で「イギリスの特許法がAIが生み出した発明を保護するのに不適格で、新技術の開発のため、AIに依存する産業を支援するのには全く不十分だと明確にした」と指摘しました。
また、知財当局者はAIが生み出すものを「特許制度や知的財産としてどう扱うべきかという疑問は当然だ」としたうえで、「政府が関連法を見直すか検討を続ける」としました。