長野県は30日、県産の日本酒とワインの「酒類の地理的表示(GI)」が国税庁に同時に指定されたことを公表した。一つの産地で2種類の酒類が、同時に指定を受けるのは全国初。酒類生産者や県などでつくる県原産地呼称管理委員会が「GI長野」の名称で申請していた。酒どころとしての魅力を発信して、県産酒類の消費拡大やブランド力向上につなげる考えだ。
「GI長野」の基準には、2002年度に創設した「長野県原産地呼称管理制度」の考え方を生かした。同制度は、県産品の品質を高めてブランド力向上を目指し、「県内で収穫された一定品質以上の米やブドウを使う」「県内で瓶詰めまでの全ての工程を行う」ことを明記。「GI長野」の基準にも同じ内容を盛り込んだ。
同県は全国有数の酒どころだ。国税庁の調査によると、20年3月末時点の酒類製造免許場数は、清酒の製造免許場で全国3位の85場。ワインなど果実酒の製造免許場は、全国2位の72場に上る。
同委員会はGIの指定を受け、ロゴを作成。今後、日本酒やワインの瓶にロゴ入りのラベルを貼るなどで県産酒類を発信する。
同日は委員会や、業界団体の関係者が長野市の県庁を訪れ、阿部守一知事にGI指定の報告をした。阿部知事は「GI指定で県産の日本酒とワインの対外的な訴求力が高まると考えている。“世界のブランド”として認知されるよう、県として全力で取り組みたい」と話した。 酒類の地理的表示では同日、山形、大阪もワインで指定を受けた。
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