商標プロセス
台湾 マドリッド制度 中国 香港 マカオ

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台湾

商標

台湾商標登録ガイド

商標とは、自社の商品やサービスを他社のものと区別するための法的な識別標識です。商標権を取得することで、ブランド名、ロゴ、デザイン、シンボル、スローガンなどの独占的な使用権が得られ、法的保護を受けることができます。これにより、企業の信頼性とブランド価値を高め、市場での競争力を強化することが可能となります。

本記事では、台湾における商標登録の手続きについて、以下のように詳しくご説明いたします。

台湾での商標出願：事前に知っておくべきポイント

台湾での商標出願を検討する際は、適切な準備により、法的要件の充足やブランド保護を効率的に進めることができます。以下、重要なポイントについてご説明いたします。

登録できるか？

出願前に商標の登録可能性を確認することを強くお勧めします。事前の調査により、既存商標との競合を避け、商標トロールなどのリスクを軽減することができます。また、出願過程での拒絶リスクを最小限に抑えるための実践的なガイドラインもご用意しております。

商標調査を実施する

台湾で出願を行う前に商標調査を実施することは、既存の商標と衝突する可能性のあるものを特定し、商標侵害や拒否に関する法的問題を避けるために重要です。商標調査により、商標が独自性を持っており、承認される可能性が高いことを確認できます。

台湾で商標調査を弁理士に依頼することで、潜在的な衝突に関する詳細な分析が得られます。弁理士は複雑な調査結果を解釈し、商標の登録可能性を評価し、台湾商標法に基づく適切なアドバイスを提供します。費用面では高額となりますが、専門的な指導と徹底的なレビューが提供されるため、安心感を得ることができます。

より経済的な方法として、出願人自身が調査を行うことも可能です。自己調査は一般的な概要を提供し、明確な衝突を特定できますが、微妙な法的問題を見逃すことがあります。この方法は無料で行える場合もあり、データベースアクセスに最低限の費用がかかる場合もあります。

商標の種類

基本的な商標に加えて、台湾では証明標章、団体標章も登録することができます。

商標

商標とは、識別力のある任意のマークを指します。台湾で商標として登録可能な形態は以下の通りです：文字、デザイン、シンボル、香り、色、立体的な形状、動き、ホログラム、音。

例えば、「COCA-COLA」のロゴや「STARBUCKS」のロゴです。

証明標章

証明標章は、その所有者以外の人が使用して、商品やサービスの品質、特徴、起源、または基準を証明するための商標です。この商標は、認証団体が設定した特定の基準に適合していることを示し、必ずしも商標の所有者によるものではなく、審査を通じて確認されます。

例えば、台湾優良商品マークやUSDAオーガニックマークなどです。

団体標章

団体標章は、グループ（例：商業団体や社会団体）が自らの会員が提供する商品やサービスを識別するために独占的に使用する商標です。例えば、コンロージオ・ヴィーノ・キアンティ・クラシコの「キアンティ・クラシコ」や沖縄泡盛協会の「琉球泡盛」などです。

団体会員標章

団体会員標章は、グループの商品やサービスではなく、単に団体や会員の所属を識別するための商標です。例えば、ライオンズクラブやロータリークラブなどです。

出願手続きの基礎マニュアル

出願資格と法的要件

台湾で商標出願を行う資格は、国内外の自然人、法人、パートナーシップ、法人格のない法的に設立された団体、または商業登録法に基づいて登録された企業に適用されます。ただし、団体標章、団体会員標章、および証明標章には特定の規則があります。これらの商標は、法人格を有する商業団体、社会団体、または団体にのみ出願可能です。

商標出願は、出願人自身または商標代理人を通じて行うことができます。出願人が台湾以外に居住している場合、台湾に住所を有するライセンスを持った弁理士または商標代理人を指定して出願手続きを行う必要があります。また、外国企業が台湾に支店を持っている場合は、商標代理人を通さず、台湾の事業所の住所と代表者を記載することで出願できます。しかし、商標代理人を任命する場合、出願に関連するすべての手続きを代理人に通知する必要があります。

台湾はパリ条約やマドリッド協定の加盟国ではありませんが、世界貿易機関（WTO）の加盟国です。そのため、商標出願の優先権は、WTO加盟国で提出された出願に基づいて主張することができます。外国の出願から優先権を主張する場合、出願日から6ヶ月以内にその国の政府から発行された認証された書類を提供する必要があります。

商標出願には、出願人の緊急性や要件に応じて3つの種類があります。

通常プロセス：審査に6～8ヶ月かかり、登録証の発行に2ヶ月が必要です。指定商品・サービスの記載が標準名称と一致しない場合、書面または電子により提出することが可能です。

ファストトラック：審査を4～5ヶ月に短縮しますが、指定商品・サービスの記載が標準名称と一致することと、電子により提出することが必須です。

加速審査：審査を2ヶ月で終了し、電子により提出すること、指定商品・サービスの記載が標準名称と一致することと、使用または市場の意図を証明する証拠が求められ、通常の出願料の2倍の費用がかかります。

商標出願手続きについてご不明点があれば、お気軽にお問い合わせください。

提出書類および費用

商標出願を行う際には、商標登録願書を提出する必要があります。出願日は、関連書類が台湾智慧財産局（TIPO）に受理された日または郵便消印日と見なされます。ファックスでの提出は受け付けていません。

出願には以下の書類を含める必要があります：

1.基本情報：出願人の名称、住所、および登録出願しようとする商標の情報などを含みます。

2.指定商品・サービス：台湾で採用されているのは多区分出願制度であり、1回の出願で複数の区分の指定商品またはサービスに対して出願できます。

4.委任状（必要な場合）：商標代理人を任命した場合、署名された委任状を提供する必要があります。正式審査時に委任状の提出を求められることがあります。外国の出願人には通常、通知書の日付から2ヶ月の提出期限が与えられます。もし外国語で提出された場合、繁体字中国語の翻訳が必要です。公証や認証は要求されません。

5.優先権証明書（該当する場合のみ）：優先権証明書のコピーを、出願日から3ヶ月以内に提出する必要があり、繁体字中国語への翻訳も必要です。

6.出願料：商標出願の官庁費は1区分あたりNT$3,000です。電子提出の場合、出願ごとにNT$300の割引が適用されます。また、すべての指定商品・サービスの記載が電子出願システムの標準名称と一致する場合、区分ごとにNT$300の追加割引があります。

出願

1区分あたり

NT$3,000 (約US$93)

第1類～第34類：指定商品が20品目以内；指定商品が20品目を超えた場合、1品目あたりの加算額はNT$200。
第35類の特定商品の小売サービス：商品数が5品目を超えた場合、1品目あたりの加算額はNT$500。
第35類～第45類：制限なし。

電子出願の割引

1件ごとにNT$300の減額

(約US$10)

なし

その他

NT$300の減額(約US$10)　　

指定商品・サービスの記載が標準名称と一致する場合に適用されます。　　

最新の情報については、TIPOの公式サイトを参照してください。また、出願料に関して質問などがある場合は、お気軽にお問い合わせください。

商標出願のコツ

「一出願一区分」と「一出願多区分」、どちらを選ぶべき？

商標登録には、「一出願一区分」と「一出願多区分」の2種類がありますが、いずれの場合も出願料は同じです。それぞれにメリットとデメリットがあり、出願人の実際のニーズに応じて選択することが重要です。

できるだけ早く権利を取得したい場合は、「一出願一区分」をおすすめします。なぜなら、特定の区分が拒絶された場合でも、他の区分には影響が及ばず、承認された区分のみ先に登録できるからです。また、分割費用を追加で支払う必要もありません。

一方、管理を簡単にしたい場合は、「一出願多区分」が適しています。これにより、商標登録証が1枚、出願・登録番号も1つに統一されるため、更新手続きや登録証の保管が容易になります。さらに、将来的に商標を譲渡する際の費用を抑えることも可能です。

「カラー」か「白黒（モノクロ）」か？

台湾の商標実務において、カラー商標は識別性が高い一方で、登録された特定の色彩に限定され、その色を変更して使用すると不使用取消審判の対象となるリスクがあります。特にデザインがシンプルで識別性が低い場合、白黒出願では却下される可能性が高く、カラー出願の方が登録査定を受けやすい傾向にあります。

一方、白黒商標として登録された場合、色付きでの使用も合法的な使用として認められ、不使用取消審判の対象となるリスクが低くなります。そのため、将来的に色彩を変更する可能性がある場合は、権利範囲が広く実務上より柔軟な運用が可能な白黒商標での出願が推奨されます。

商標出願手続きについての質問がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

「一出願一区分」と「一出願多区分」、どちらを選ぶべき？

「カラー」か「白黒（モノクロ）」か？

台湾の商標実務において、カラー商標は識別性が高いので、特にデザインがシンプルで識別性が低い場合、白黒出願では却下される可能性が高く、カラー出願の方が登録査定を受けやすい傾向にあります。しがしながら、カラー商標は登録された特定の色彩に限定され、その色を変更して使用すると不使用取消審判の対象となるリスクがあります。

商標出願手続きについての質問がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

審査（方式審査と実体審査）

台湾智慧財産局（TIPO）は商標出願に対して、方式審査と実体審査の両方を行います。

方式審査

方式審査では、出願が提出要件を満たしているかどうか、出願人の資格や必要書類などが確認されます。

実体審査

実体審査では、TIPOは商標の識別性を二つの基準に基づいて評価します。商標が識別可能で登録資格がある場合、TIPOは出願を承認することがあります。商標が登録不適格と判断された場合、TIPOは拒絶理由通知を発行します。出願人は期限内に応答したり、出願内容の修正を行う必要があります。多くの場合、出願人は1回または2回のチャンスを与えられ、すべての拒絶理由を解消した後、次のステップに進むことができます。

拒絶理由の二種類

拒絶理由には、絶対的な理由と相対的な理由があります。

絶対的拒絶理由

絶対的な拒絶理由では、商標出願が拒否される可能性があります。例えば、指定商品やサービスの品質、目的、素材、または起源を単に説明するような記述的な用語を使用している場合です。さらに、商標が指定商品やサービスの性質、品質、または起源について消費者を誤解させるおそれがある場合にも拒絶されることがあります。最後に、商品やサービスの一般的な用語のみから成る商標や、固有の識別性が欠けている商標も拒絶の対象となります。また、国旗や外国の旗、紋章、または印章と同一または類似している商標や、公序良俗に反する商標も拒否されることがあります。

相対的拒絶理由

既存の商標と同一または類似し、かつ同一または類似の指定商品やサービスに使用される商標も拒絶される可能性があります。さらに、著名な商標と類似しており、消費者に混乱を引き起こすおそれがある商標や、著名な個人、法人、または企業の名前を含む商標も登録が拒否されることがあります。

拒絶理由に関して質問など場合は、どうぞご遠慮なくご連絡ください。

異議申し立ておよび行政訴訟

もしTIPOの決定に異議がある場合、30日以内に経済部の請願・上訴委員会に申し立てを行うことができます。経済部の決定に不服がある場合は、2ヶ月以内に知的財産商事裁判所（IPC）で行政訴訟を提起できます。さらに不服がある場合、IPCの決定から20日以内に最高行政法院に上訴を行うことができます。

商標登録手続きについて質問がある場合やサポートが必要な場合は、お気軽にご連絡ください。

登録と公示

登録

商標出願が承認された後、出願人は2ヶ月以内に官庁費として登録料（1区分あたりNT$2,500）を支払う必要があります。期限内に支払わない場合、登録されず、商標登録証が発行されません。

もし、出願人の責任外の事情で登録料が支払われない場合でも、第三者の出願や権利に影響を与えない限り、期限後6ヶ月以内に支払いを行い、登録手続きを進め、商標登録証を取得することができます。その場合、登録料は倍額となります。

支払い方法には現金、銀行振込、郵便為替、ATMによる資金移動など、複数の方法があります。

公示

商標が登録されると、3ヶ月間の公示期間が設けられます。この期間中、商標登録に異議を唱える場合、第三者はTIPOに異議申し立てを行うことができます。異議が提出された場合、オフィスは両当事者の主張を審査し、決定を下します。異議がなければ、商標は登録され、商標公報に掲載され、電子または紙の形式で登録証が発行されます。

商標保護期間と更新

台湾での商標保護期間は、登録日から10年間です。その後、10年ごとに更新のオプションがあります。更新出願は満了日の6ヶ月前に行う必要があります。各更新で保護期間はさらに10年間延長され、更新回数に制限はありません。商標が3年間使用されていない場合、正当な理由がない場合には、商標登録が取り消されることもあります。また、商標権が失効した後、6ヶ月以内に更新出願を行う場合、更新登録料は倍額となります。

手続きについてご質問などあれば、お気軽にご連絡ください。

台湾の商標保護制度（税関での保護）

アメリカでは、企業が商標を米国税関・国境警備局（CBP）に登録することで、偽造品の輸入を防止しています。台湾でも、商標所有者は税関を通じて商標を保護するシステムが存在します。アメリカでは、連邦登録商標を所有する企業がCBPに登録することで、CBPが商標を侵害する輸入品を押収できるようになり、偽造品の流入を阻止し、企業や消費者を保護する効果があります。

台湾では、商標所有者がオンラインプラットフォームを通じて税関に商標を登録することができ、偽造品からの保護を強化しています。輸入または輸出時に疑わしい侵害品が発見されると、税関は商標所有者に通知し、所有者はオンラインで写真を確認し、侵害の証拠を提供することができます。侵害が確認されると、税関は商品を一時的に保留することができます。このリモートで効率的なプロセスは、偽造貿易の防止に向けたグローバルな取り組みに一致しています。

台湾智慧財産局（TIPO）

台湾智慧財産局（TIPO）は、1999年に経済部の下で設立され、台湾の知的財産（IP）権利の主務官庁です。1927年に設立された「国家登録局」に起源を持つTIPOは、特許、商標、著作権、集積回路配置、営業秘密の規制と保護を統一し、台湾のIP駆動型経済の基盤を作り上げました。商標法、著作権法、特許法、営業秘密法を施行する最高機関として、TIPOの主な責任は、特許、商標、デザインの審査および登録、著作権法の施行、営業秘密の保護です。

TIPOの2024-2026年行動計画では、研究開発におけるIP管理強化、革新に向けた法的枠組みの強化、偽造品や海賊版に対する取締強化が優先事項として掲げられています。これらの取り組みを通じて、TIPOは創作者の権利を保護するだけでなく、経済成長を促進するIPエコシステムの構築を目指しています。

これまで、TIPOは知的財産政策の形成、規制遵守の確保、台湾の産業全体での革新促進において重要な役割を果たしており、台湾を世界のIP保護における重要なプレーヤーに押し上げてきました。

台湾商標出願の書類チェックリスト

商標登録願書
指定商品・サービスのリスト
商標の見本: JPG形式、解像度300 DPI以上、5cm×5cm～8cm×8cmの画像
委任状（必要な場合）: 代理人を利用する場合、繁体字翻訳付きで提出（公証は不要）
優先権証明書（該当する場合のみ）:優先権証明書と繁体字翻訳、提出期限は出願日から3ヶ月以内

なぜ台湾で商標を出願すべきか？

台湾で商標を登録することは、ブランドを保護し、この活気に満ちた市場での足場を築くために不可欠です。

台湾は「先願主義」のシステムを採用しており、商標を登録すると、その地域内でその商標に対する独占的な権利が与えられます。たとえ他の者が以前に類似の商標を使用していたとしても、商標を登録しなければ台湾法の下で商標権は保護されません。そのため、商標権を侵害者に対して執行し、法的措置を取ることが難しくなります。

登録された商標は、指定された商品やサービスに対して独占的に使用する権利も与え、台湾市場での競争力を強化します。商標は貴重な資産であり、ライセンス供与や譲渡、収益化が可能で、ビジネスやブランドの価値を高めます。

法的保護を超えて、登録された商標はブランド認知度や顧客の信頼を高め、企業が市場での競争において際立つための支えとなります。台湾での事業拡大を目指す企業にとって、商標登録はブランドアイデンティティを確立し、ビジネスチャンスを広げるための戦略的なステップです。

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エレクトロニクスからバイオテクノロジーまで、当社の専門家は多様な分野をカバーしており、数多くの商標を成功裏に取得しています。台湾、日本、中国での商標登録、国際的な保護、台湾での特許取得をサポートします。WPTOは、知的財産権の保護に特化した、信頼性の高いパートナーです。豊富な経験と最新技術を駆使し、お客様の大切な知的財産を確実に保護いたします。台湾での商標登録に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

リソース：

台湾智慧財産局
https://www.tipo.gov.tw/tw/mp-1.html【中国語】
https://www.tipo.gov.tw/en/mp-2.html【英語】

実体審査

NT$300の減額(約US$10)

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